パタゴニア地方の旅行記(チリ編)

はじめに
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パタゴニアは南アメリカ大陸の南端、アルゼンチンとチリまたがる地域。強風が吹き荒れ、地の果てとも言われる。アンデス山脈が南北に縦走し、太平洋からの湿った偏西風の影響で長年降り積もった雪が大氷原を作りあげる。大氷原とそこから流れ出る氷河によって削られた山々や氷河湖が壮大な景観を作り出す。

アルゼンチン側はフィッツ・ロイやセロ・トーレのトレッキングやペリト・モレノ氷河のクルーズとトレッキング、チリ側はトレス・デル・パイネ国立公園でのトレッキングやペンギンを見に行くツアーなどがある。

数年前にアルゼンチン側のパタゴニアを訪れたので、今回はチリ側のパタゴニアを旅行することにした。

(この旅行記の数年前に行った パタゴニア(アルゼンチン編)の旅行記はこちらから。)

トーレス・デル・パイネ国立公園(Parque Nacional Torres Del Paine)
パタゴニア地図

トーレス・デル・パイネ国立公園には最高峰のパイネ・グランデ(Paine Grande, 2845m)をはじめ、三本の塔が立ち並ぶラス・トーレス(Las Torres del Paine)、角(ツノ)のような形が特徴的なクエルノス(Cuernos)が山塊を形成する。グレイ氷河(Glacier Grey)の他いくつかの氷河があり、ターコイズ色の美しい氷河湖がいくつも点在し、特にグレイ氷河が流れ出るグレイ湖(Lago Grey)を始めペオエ湖(Lago Pehoé)やノルデンスコールド湖(Lago Nordenskiöld)が美しい。

地図の赤とピンクの線が主なトレッキング・ルート。赤線でW字の部分が有名な”W”トレックで約80kmで4−5日かけて歩くルート。”W”トレックをさらに伸ばしてトーレス・デル・パイネ全体を10日ほどかけて一周する”O"サーキットもある(ピンクの線)。

地図のグレーの線が車道。未舗装路なのであまりスピードが出せない。ホテルがいくつか集まっているリオ・セラーノ地区(Rio Serrano)から船着き場のあるプデト(Pudeto)までが約25km、車で30分、その先のアマルガ湖(Laguna Amarga)近くの公園事務所までが約45km、一時間ほどかかる。

公共の交通機関はバスがプエルト・ナタレス(Puerto Natales)からアマルガ湖の公園事務所、プデト、リオ・セラーノ近くの公園事務所を経由してグレイ湖の南岸までのルートがある。アマルガ湖の公園事務所からラス・トーレスのトレイル・ヘッドまでも別のシャトルが走っている。

フェリーも通っていて(地図の青線)ペオエ湖をプデトからパイネ・グランデの山小屋までの便とグレイ湖を通る便がある。

国立公園内の交通手段は限られていて、公共の交通機関を利用する以外はツアーに参加するかレンタカーをプンタ・アレナスかプエルト・ナタレスで借りることになる。

国立公園内や公園の近くにはガソリンスタンドもATMもないので注意が必要。レンタカーの場合はプエルト・ナタレスでガソリンを満タンにしておかないと途中でガス欠になる可能性も。公共の交通手段は現金だけしかとらないのも注意が必要。プデトからのフェリーは米ドルも使えるので助かった。国立公園の入場料も現金しか取らないが、オンラインでカードを使って支払いができるので(ただし現地でネットが使えるかは不明)ので前もっと入場券を買っておくといい。

トーレス・デル・パイネ国立公園の”W”トレック

トーレス・デル・パイネに来る人の多くが”W”トレックを目的にやってくる。”W”の字の西側の縦線はパイネ・グランデの西側をグレイ湖に沿って歩き、グレイ氷河が見えるところまで歩くルート。真ん中の縦線はパイネ・グランデとクエルノスの間のフランス谷(Valle Frances)を歩くルート、東側の縦線は三本の塔ラス・トーレスの麓までのトレッキング。宿泊はキャンプ場でテント泊か山小屋のいづれかを選択することになる。地図の”W”トレック沿いの#印の所に山小屋・キャンプ場がある。山小屋・キャンプ場は前もっての予約は必須。特に12−3月の繁忙期は半年以上前からの計画が必要。

アマルガ湖近くの公園事務所起点に東から西向きに進むルートとプデトからフェリーに乗りパイネ・グランデの南側を起点に西から東向きに進むルートがある。東から西向きに進むルートが一般的なよう。西から東向きに進むルートの利点は最終日をラス・トーレスの近くのチレーノ(Chileno)山小屋に泊まってラス・トーレスを赤く染める朝日を見に行くことができることがあげられる。

ホテルを拠点にした”W”トレック

”W”トレックで山小屋やテント泊をしながらのトレッキングの難点は悪天候でも必ず次の目的地まで行かなくてはならない点。ホテルに泊まりながら”W”トレックのの一部(もしくは大部分)を歩く方法もある。国立公園内にはラス・トーレスのトレイル・ヘッド近くとペオエ湖近くに数件のホテルがある。公園外だとリオ・セラーノ地区に5−6件のホテルが集まっている。ホテルからトレイル・ヘッドもしくはフェリー乗り場までの足はレンタカーかツアー参加に限られてしまうが、その分晴れた日を選んでトレッキングすることができる。

私達はラス・トーレスのトレイル・ヘッド近くのホテルに2泊、リオ・セラーノ地区に3泊して”W”トレックの一部をトレッキングした。

ホテルに泊まりながらの”W”トレックのトレッキングは主に3種類。それぞれが20kmほどのトレッキングになる。

  1. ラス・トーレスの麓までのトレッキング
  2. グレイ氷河までのトレッキング(プデトからフェリーでパイネ・グランデの麓のトレイル・ヘッドへ移動)
  3. フレンチ谷の途中までのトレッキング(プデトからフェリーでパイネ・グランデのトレイル・ヘッドへ移動)
ラス・トーレスの麓までのトレッキング (Mirador Base las Torres)
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国立公園の名前にもなっている三本の塔が立ち並ぶラス・トーレスの麓までのトレッキングは一番楽しみにしていたトレッキング。トレイル・ヘッド近くのホテルに2泊して天気の良い日に行くと決めていた。初日は時々小雨が降る天気だったので予報が良かった2日目に行くことにした。

トレッキングの当日、予報通り天気は良く朝食の前に朝日に輝く山(ラス・トーレスは泊まったホテルからは見えない)を見ることができた。朝6時半からの朝食を済ませて、7時過ぎに歩き始めた。この時間はまだツアーやバスで来る人達はいないのでトレイルにはほとんど人がいない。

ホテルから最初の1kmほど平坦で、アセンシオ川(Rio Ascencio)を渡ってから川を右手に見ながら登り始める。2-3kmほど登ると強風区間(Paso del Viento, Windy Pass)が待ち受けている。パタゴニア特有の偏西風の通り道のようだ。坂を登って汗をかいていたので、急いでダウンジャケットを着る。強い向かい風の区間が1km弱続く。その後トレイルは少し下り始めアセンシオ川沿いにあるチレノ山小屋に到着する。この辺りがちょうど中間地点。一休みして水を補給する。

その後しばらく川沿いの比較的平坦なトレイルが続く。11月の初旬は雪解け水でかなりぬかるむと口コミで見ていていたが、それほどでもなく助かった。しばらくすると左手にモレーンが見えてくる。モレーンとは氷河に削られた岩が積み重なった場所。ここを登り切ると目的地。モレーンの中のトレイルは雪解け水が流れていてまるで川の浅瀬のよう。防水のブーツなので水がしみることはなかった。モレーンを1kmほど登るとラス・トーレスの三本の塔の一部がが見え始める。最後の数百メートルの区間には少し雪が残っているが、かき氷のような雪で危ないほどではなかった。

モレーンを登りきると三本のラス・トーレスとその前に広がる湖が待ち受けている。フィッツ・ロイやセロ・トーレでの感動が蘇る。この絶景を見ながら昼食をとり、何回も角度を変えて写真を撮った。湖はまだほとんど凍っているのが少しだけ残念だけれど繁忙期を避けたのだからしょうがない。

モレーンの中を登る最終区間は午後2時半以降は入れないと看板があった。おそらく季節によって(日没時間によって)変わるようだが注意が必要。また口コミでは10月下旬の時点でアイゼンを持っているかチェックしていたとも書いてあった。私達はプンタ・アレナスのアウトドア・ショップで確認したが、必要ないと言われたので持っていかなかった。

距離:20.0km、累積標高:1028m

グレイ氷河までのトレッキング(Glacier Gray)
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トレイル・ヘッドはペオエ湖の湖畔にあるパイネ・グランド山小屋。リオ・セラーノ地区のホテルからプデトまでレンタカーで行き、そこから9時発のフェリーでペオエ湖を渡りトレイル・ヘッドまで行くことになる。フェリーの予約はできなく、現金(米ドルも可)のみ。帰りのフェリーは11月は午後6時半だけだったが、繁忙期には午後5時との二回になるよう。帰りのフェリーも予約はできない。搭乗は先着順なので余裕を持って船着き場に着きたい。最終便で船に乗り切れない場合は臨時便でもう一往復追加してくれるとのことだが、2時間近く待つことになる。

トレイル・ヘッドからはグレイ氷河に行くトレイルとフレンチ谷に行くトレイルの2つがある。グレイ氷河に行くトレイルは分岐を左側に進み、パイネ・グランデを右手に見ながら谷間を登っていく。3km弱で一旦平らになりパトス湖(Laguna los Patos)という小さな湖の湖畔を歩く。6kmぐらいの地点でグレイ湖展望台(Mirador Lago Gray)がありグレイ湖が見えてくる。このあたりがちょうどトレイルの中間点。湖には流氷がいくつか見える。風の吹き溜まりになっている湾にいくつか集まるっている。しばらく平坦な区間を歩くと正面にグレイ氷河が遠くに見えてくる。

このあたりから吹きさらしになる区間のようで猛烈な向かい風で歩くのも大変なぐらい。なんだかこのまま引き返したくなるぐらいだった。強風区間が終わってしばらくすると正面に氷河を見ながらトレイルは徐々に下りながら続く。一部急な下り坂の区間では雪解け水がトレイルに沿って流れている。坂を降りきるとトレイルは平坦になり、しばらくするとグレイ山小屋(Refugio Gray)に到着する。

グレイ山小屋の数百メートル先にグレイ氷河がよく見える展望所がある。そこも強風がすごい。氷河までは結構まだ距離があるので、ペリト・モレノ氷河ほどの迫力はない。

グレイ山小屋の先2-3kmぐらいの地点には吊り橋があり、そこからは氷河がかなり近くに見えるらしい。私達は残りの歩く距離やフェリーの時間を考えて断念した。

帰りは追い風なので往路ほどきつくはなかったが、2日連続の20km超のトレッキングの疲れからかなかなかスピードが上がらず、船着き場のパイネ・グランド山小屋に着いたのはフェリーの出発の45分ほど前と結構ギリギリだった。

距離:22.2km、累積標高:735m

フレンチ谷までのトレッキング

私達はこのトレッキングしなかったので簡単に概要を。

トレイル・ヘッドはグレイ氷河までのトレッキングと同じで、ペオエ湖の湖畔にあるパイネ・グランド山小屋。プデトから9時発のフェリーでペオエ湖を渡りトレイル・ヘッドまで行くことになる。トレイルは分岐を右側に進み、パイネ・グランデを左手に見ながらすすむ。

最初の6kmほどは湖畔を歩く比較的平坦のトレイル。フランス谷に入ると登り始める。最終地点はブリタニコ展望台だが、そこまで行くと往復25km、累積標高が1100mを超えるので、途中のフレンチ展望台あたりで引き返すのが妥当かもしれない。

トーレス・デル・パイネ国立公園のその他のトレッキング

”W”トレック以外にも多くのトレイルがある。そのうちいくつかを紹介する。

コンドル展望台までのトレッキング
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外せないのがコンドル展望台までのトレッキング。この展望台からはクエルノスとパイネ・グランデの2つの山と眼下にに広がるペオエ湖を見渡す景色。ペオエ湖には小さな島がありそこにつながる橋が見える。公園の写真ではラス・トーレスの写真と並びよく見る写真。

トレイル・ヘッドは湖沿いに二ヶ所あり、展望台の北側と南側から登るルート。北側(山に近い側)からのルートだとトレールの途中からもクエルノスやパイネ・グランデが見えるので、こちらの方が良いと思う。南側のルートは歩いていないので断定はできないけれど。北側からのルートのトレイル・ヘッドは小さな島への橋の近くにある。

距離:2.4km、累積標高:197m

クエルノス展望台までのトレッキング

プデトの船着き場の少し先から出発するトレッキング。この展望台からはクエルノスをノルデンスコールド湖越しに間近に見ることができる。比較的平坦なので体力に自信がないひとにはおすすめ。トレイル・ヘッドの近くにはサルト・グランデという滝もついでに見れる。

私達はコンドル展望台に登ったので、こちらは行かなかった。前景の美しさがコンドル展望台の方がまさると思う。

距離:6.4km、累積標高:170m

ラグーナ・インゲまでのトレッキング

このトレイルはラス・トーレスのトレイル・ヘッドから西方面へクエルノスの方向に歩くトレイル。”W”トレックの一部になるが、短いのでここに紹介する。

最初の数百メートルはラス・トーレスのトレイルと共通。橋を渡った後にラス・トーレスのトレイルは右折して山を登り始めるが、ラグーナ・インゲは左方向になだらかなトレイルを進む。

パイネ山塊を右手にみながら進むと小さな湖、ラグーナ・インゲが見えてくる。ノルデンスコールド湖がその先に見える。ラグーナ・インゲの水は灰色だが、ノルデンスコールド湖の水はターコイズブルーでその対比が美しい。

アスール湖のトレッキング
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アスール湖はアマルガの公園事務所から北に約20kmのところにある湖。トレイルはこの湖の北岸を歩く往復10kmほどのトレイル。ラス・トーレスが湖越しに見えるが、ここから見るラス・トーレスが一番美しいとも言われている。

残念ながら私達が行った時は曇っていたので、トレイルは歩かずに帰ったが、ドライブだけでも楽しめる。アマルガから6kmの所にはパイネ川の滝がある。滝の数キロ先からアスール湖にかけてはたくさんのグアナコがいる。グアナコの写真を撮るならこのあたりががおすすめ。ここ以外ではアマルガとプデトの間にもいるが、断然こちらがたくさんいた。

公共の交通機関はないのでレンタカーかツアーで行くかの二択になる。

リオ・セラーノ地区
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リオ・セラーノ地区はペオエ湖の南側にある公園事務所の近くにあるホテルが集まっている地域。公園内にあるホテルに比べやや安め。繁忙期にはそれでもかなりの高額になる。レンタカーでの旅行ならここを拠点にしてで色々なアクティビティを楽しめる。ラス・トーレスのトレイル・ヘッドまでは一時間以上かかるが、それでも十分日帰りで可能だと思う。

リオ・セラーノ地区から5分ほどのところの道沿いに高台があり、そこからクエルノスとパイネ・グランデの山が見渡せる展望所があり、朝日の撮影におすすめ。朝日を浴びて輝く山々を楽しめる。

コンドル展望台からの景色の方が断然良いけれど、リオ・セラーの地区からは遠いので、曇っていたりするとなかなかハードルが高い。私達はここに3泊したけれど、毎日この展望所に通い、やっと三日目で朝日に染まる山の撮影ができた。

プンタ・アレナス(Punta Arenas)とその周辺
マゼラン・ペンギン

プンタ・アレナスはもともとマゼラン海峡(Estrecho de Magallanes)の港町として栄えたところ。チリ側のパタゴニアで最大の都市で、トーレス・デル・パイネ国立公園の玄関口でもある。南アメリカ大陸の地続きの都市としては最南端にある。アルゼンチンのウシュアイアはここより南にあるが、ティエラ・デル・フエゴ島とうい島にある。

マゼラン海峡とウシュアイアがあるビーグル海峡はパナマ運河ができるまで太平洋と大西洋をつなぐ重要な海路だったため、この町が栄えていた。

町の人口は10万人程度だが、以前は栄えていた面影が残っていて、町の中心にある建物は町のサイズに似合わない重厚さ。アルマス広場(Plaza Armas)にはマゼランの銅像もある。

マグダレーナ島(Isla Magdalena)のマゼラン・ペンギン

マグダレーナ島(Isla Magdalena)はマゼラン海峡に浮かぶ小さな島で、マゼラン・ペンギンの最大のコロニーがある。島に行く方法は公共のフェリーを使うかツアー(高速船)に参加する方法がある。ツアーの高速船だと30分ほどで島に着く。1kmほどの島を一周するトレイルがあるので、そこを一時間ほどかけてゆっくり見て回ることになる。時々ペンギンはトレイルを横切ったりもして、間近でペンギンを見ることができる。

マゼラン・ペンギンは体長75cmほどの小さなペンギン。皇帝ペンギンやキング・ペンギンよりだいぶ小さいが、間近に見れるのが利点。

プンタ・アレナスからはキング・ペンギンを見に行くツアーもあるが、丸一日かかるのと数十メートル離れたところからしかペンギンを見られないらしい。

地の果ての道(Ruta del Fin del Mundo)

プンタ・アレナスとトーレス・デル・パイネ国立公園をつなぐ国道9号線は地の果ての道(Ruta del Fin del Mundo)とも呼ばれている。全長350km、約4時間半の道のり。比較的平らでアンデスの山ははるか西に見える。プンタ・アレナスから80kmぐらいの所ではグアナコが多いエリアがあるので、運転には注意が必要。運転中、グアナコが目の前に飛び出してきてあやうく轢きそうになって危なかった。レンタカーを借りる時に、グアナコが多いので注意するようにとは言われていたが、まさか飛び出してくるとは。。。

プエルト・ナタレス(Puerto Natales)

途中にはプエルト・ナタレス(Puerto Natales)という小さな町がある。トーレス・デル・パイネ国立公園までは約100km、約1時間半の距離。プエルト・ナタレスにも空港があるが、定期便は繁忙期の夏だけとのこと。

プエルト・ナタレスより北にはトーレス・デル・パイネ国立公園内も含めてガソリン・スタンドや銀行がないのでレンタカーのガソリン補給と現金の調達は忘れずに。

エンパニャーダス・マルガリータ(Empanadas Margarita)というお店でエンパニャーダ食べたけれどすごく美味しかった。町の入り口からは少し離れている(2km弱)が寄ってみる価値あるかも。店は金物屋を兼ねているので(というかほぼ金物屋)、お店に入ったときは間違ったと思うので要注意。

チリとアルゼンチのパタゴニアの比較

チリとアルゼンチのパタゴニアの両方に行ってみてだいぶ違いを感じた。一番の違いは利便性。

アルゼンチン側の方が自由度が高く旅行の計画が立てやすい。アルゼンチ側のパタゴニアの玄関口はエル・カラファテで、ペリト・モレナ氷河へはほとんどの人がツアーで参加することになる。氷河の上を歩くにはツアー参加が必須。フィッツ・ロイやセロ・トーロへのトレッキングにはエル・カラファテから3時間半ほど離れたエル・チャルテンを拠点にトレッキングができる。どちらの町もホテルがたくさんあり、繁忙期でもホテルの予約が取りやすい。

チリ側のパタゴニアの玄関口はプンタ・アレナスでトレス・デル・パイネ国立公園から4−5時間の距離。トレス・デル・パイネ国立公園の公園内にはキャンプ場か山小屋が”W”という有名なトレイル沿いにある。公園内には普通のホテルは数件しかなく、ものすごく高い。12月から3月あたりの繁忙期は半年以上も前に予約が必要。公園の外にも少しはホテルがあるが予約状況は似たような感じ。”W”のトレイルへのアクセスは公園の外のホテルからは悪く、その他の見どころも点在していて公共の交通機関の便もよくない。3−4泊山小屋かキャンプに連泊して”W”のトレイルを歩くか、ツアーで交通機関を確保するのが一般的のよう。

連泊でのトレッキングやツアーでのトレッキングの難点は天気を見ながら行動を決められないので、結構ハードルが上がる。私達がチリのパタゴニアを訪れたのは11月の初旬(北半球の5月初旬に相当)とまだ春先で繁忙期の前だったので一月前でもなんとかホテルも取れたので、レンタカーで足を確保して訪れた。

チリはトレス・デル・パイネ国立公園の自然を徹底的に保護する方針で、公園内や周辺のホテルの数が少いのだと思う。

最後に

一週間ほどのパタゴニア滞在だったけれど自然を満喫できた。天気にも恵まれて最大の目標だったラス・トーレスを間近で見ることが出来た。期せずしてリオ・セラーノ地区のホテルの近くから朝日に染まるクエルノスも楽しめた。

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最終更新日:2024年2月8日