マチュピチュの旅行記

マチュピチュ(Machu Picchu)
マチュピチュ

マチュピチュは12世紀から16世紀にかけて栄えたインカ帝国の時代に建設された都市遺跡。インカ帝国が1533年にスペイン人により征服され滅亡してからは、マチュピチュは忘れさられジャングルの中に埋もれてしまっていた。20世紀の初めにアメリカ人の学者ビンガム(Bingham)らにより発掘され現在にいたる。王室の別邸や神聖な宗教的施設として使われていたと考えられているが、インカ帝国は文字を持たなかったことから、詳細は謎につつまれたままだ。

アクセス

マチュピチュの最寄りの空港はクスコ、リマから飛行機で一時間ほど。クスコからマチュピチュへは電車で行くことになるが、クスコ発とクスコとマチュピチュの中間にあるオリャンタイタンボ発の電車がある。オリャンタイタンボの電車に乗るにはそこまでタクシーかバスで行くことになる。遺跡の近くの町アグアス・カリエンテス(Aguas Calientes、マチュピチュ村)が電車の終着駅。アグアス・カリエンテスからはバスに乗ってマチュピチュ遺跡に登る。

それ以外にオリャンタイタンボの近くから数日かけてトレッキングでマチュピチュに行く方法もある。

地形
マチュピチュ地図

アンデスの山奥に流れるウルバンバ川の両側には川との高低差が千メートルを超える険しい山々がそびえ立つ。マチュピチュ山(標高3082m)とワイナピチュ山(標高2693m)の切り立った山の間の尾根沿いにマチュピチュ遺跡がひっそりと佇む。尾根の両側はウルバンバ渓谷の深い谷になっていて、川までの高低差は600mにもなる。

アグアス・カリエンテス(マチュピチュ村)はウルバンバ川沿いにあるので、マチュピチュへは険しいつづら折りの道(ビンガム・ロード)をバスで登ることになる。

遺跡内は南から北、西から東に向かって傾斜している。南側が高くなっているので北方向(ワイナピチュ側)に遺跡を見下ろすことができる。

散策サーキット(ルート)とチケットの種類
マチュピチュ地図

マチュピチュへの入場には前もってチケットを購入が必須。4−10月の繁忙期には3ヶ月は余裕をもって予約したほうがいい。チケットは オフィシャルサイト で購入可能。ホームページは英語もあるが、なぜか購入のページはスペイン語のみになっている。ブラウザの翻訳機能を使うと問題なく購入できる。

2023年11月現在マチュピチュはいくつかの散策サーキット(ルート)が決められていて、チケットにより行ける場所が異なる。基本的に、サーキットは時計方向に廻るようになっている。サーキットは一方通行になっていおり、一旦通過したところに戻ることができない。サーキットは一部分岐しているところもあるが、そこではどちらか一つしか見ることができない。例えばサーキット2は入り口からすぐの所で分岐するが、左に行くと上のテラス、右に行くと下のテラスに行くことになり、両方には行けない。チケットは入場時間の指定付きなので、前もっての計画が必要。

サーキット1・2(地図の青のルート)(地図の茶色のルート)入口から入ってすぐ坂を登って見張り小屋(ベスト・フォト・スポット)の近くに行く。その後、坂を降りて市街地への門を通る。太陽の神殿を上から見て、主神殿、インティワタナを通り、遺跡の北端にある聖なる岩まで行く。そこからは共通のルート(地図の茶色)を通り帰る。帰りにはコンドルの神殿を通る。サーキット1は短いルートで、太陽の神殿のところまで行き出口に戻るルート。

サーキット3・4(地図の赤のルート)(地図の茶色のルート)遺跡内の東側を通るルート。入口から段々畑を通り、太陽の門に行く。その後、遺跡の北端にある聖なる岩まで行く。そこからは共通のルート(地図の茶色)を通り帰る。サーキット3は短いルートで、聖なる岩まで行かず、途中で戻るルート。サーキット3はマチュピチュ山とセット、サーキット4はワイナピチュ山とセットにもなっている。

このサイトの地図は北が上になっている。多くのサイト(オフィシャルサイトも含め)北が右側の地図になっているので、注意が必要。

チケットの種類

それぞれのチケットは入場時間が1時間の枠で指定されているので、その間に入場が必要。ワイナピチュ山は朝7時から10時までの1時間ごとの入場枠、マチュピチュ山は7時と8時の1時間ごとの入場枠のチケットがある。この入場時間は登山口での時間なので注意が必要。マチュピチュ遺跡への入場はその一時間前から可能。遺跡の入口と登山口の両方でチケットの提示になる。

二種類以上のチケットを併せて使うことも可能。例えば、サーキット2とワイナピチュ山+サーキット4の2枚のチケットがあれば、サーキット2の時間枠で入場して、サーキット2のルートを通りワイナピチュ山の登山口まで行くことができる。登山口は聖なる岩のすぐ奥にある。こうすることで、わざわざ遺跡の入口まで戻り遺跡の外に出てから再入場する必要がない。入山の時間は登山チケットの指定時間に入らなくてはならない。

インティワタナは7−10時、コンドルの神殿は10−13時の間にしか見ることができないので注意が必要。

おすすめのルート(二日間の場合)

一日目:マチュピチュに午後に到着し、サーキット2へ。見張り小屋の近くでは上のテラスから撮影。この日は午後入場なので、インティワタナとコンドルの神殿は見ることができない。アグアス・カリエンテス泊。

二日目:朝6時の開園とともに入場しサーキット2へ。私達は見張り小屋近くは下のテラスに行った。天気が良ければ朝日がに照らせれる遺跡の撮影が可能。その後インティワタナを見てワイナピチュの登山口まで行く。サーキット4+ワイナピチュ(9ー10時入山)のチケットでワイナピチュ登山。帰りにコンドルの神殿をみる。午後の電車でオリャンタイタンボかマチュピチュに戻る。

写真撮影
マチュピチュ

ベストの撮影スポットは見張り小屋の近くのテラス。サーキット1・2で行くことになる。ここからは遺跡を見下ろして、背後にワイナピチュとウチュイピチュの2つの山がそびえる景観。入場後すぐの分岐地点で上のテラス(西側)と下のテラス(東側)のを選ばなくてはならない。上のテラスのほうがやや自由度が高いので一回しか行かないなら上がおすすめ。上のテラスからは遺跡の西側の斜面にある段々畑をいれた構図の写真がとれる(このページの最初の写真)。下のテラスからは遺跡の市街地が近くになる(このページの2枚目の写真)が、ここからとほぼ同じ構図がルートが合流したあたりからも見ることができる。

画角的には35mmの縦位置で山と遺跡がギリギリ収まる画角なので、17-35mmの範囲が最適。北に向かっての撮影になるので、南半球なので逆光気味だけど、日が高いので問題はない。入場時間の関係から朝日の撮影は可能だが、夕日の時間は難しいと思う。朝日は向かって右側から昇ってくる。

それ以外にも市街地からもワイナピチュを背景にした写真はいろんなところで撮影できる。例えば市街地への門を通しての撮影もいい感じになる。

注意:三脚は禁止。プロ向けのカメラ・レンズは撮影料がとられるらしい。プロ向けの定義ははっきりしないが、いわゆる大三元レンズは注意が必要かもしれない。私は35mmの単焦点をカメラにつけ、20mmと70-200mmF4はバッグの奥にいれて持ち込んだ。

ワイナピチュ山のトレッキング
マチュピチュ

ワイナピチュはマチュピチュ遺跡からみると岩がむき出しの急峻な山で登るのが怖いぐらいに見える。マチュピチュ遺跡からの高低差は260mで片道1時間弱のトレッキングだが、高低差以上にきつく感じる。最後は遺跡の一部の急傾斜の階段を登って見晴台に着く。ここから遺跡を遠くに見下ろす景色は抜群。

遺跡の奥には見張り小屋とその周囲の段々畑が見える。左側にはつづら折りの道、ビンガム・ロードが見える。

それ以外にマチュピチュ山とウチュイピチュ山に登るトレッキングのオプションがある。マチュピチュ山は標高3082mで片道2時間程度のトレッキング。ウチュイピチュ山はワイナピチュ山の手前にある低い山。時間と体力に併せて選ぶと良いと思う。

雨季

ペルーは赤道近くのため、平均気温は一年中あまり変わらないが、11月~4月は雨季なので雨の確率が高くなる。天気が悪いとマチュピチュ遺跡の背後にそびえるワイナピチュが雲に覆われて見えない可能性がある。ただ晴天よりも霧が適度にかかったほうが幻想的ではあるが。

私達が行ったのは11月初旬だったが、二日目は朝6時に見張り小屋のところに着いたが2時間ほど雲で山は全く見えなかった。さいわい途中から晴れてきてくれたので良かったが。乾季から雨季への変わり目だったのでまだましだったのかもしれない。12月に訪れた知り合いは3日ほどいたが、毎日雨で見えなかったらしい。

マチュピチュとウユニ塩湖を同じ旅行で行く人も多いと思うので悩ましい所だと思う。ウユニは雨季でないと鏡張りの湖面が見えないらしいので。

クスコ(Cuzco)

準備中

クスコは1533年にスペインに征服されるまでインカ帝国の首都だった。アンデス山脈の中、標高は3400mもあるが、周りはさらに高い山で囲まれた盆地になっている。

インカ帝国時代の神殿や宮殿はスペイン人によりことごとく破壊されほとんど残っていない。土台になっている石組みは破壊が難しかったため、そのまま残してその上にスペイン風の建物が建てられている。インカの石組みは非常に精巧な作りになっており、多角形の石で組み上げれているにも関わらず、ほとんど隙間がないという。

アトゥンルミヨク通りと12角の石。

聖なる谷

準備中

オリャンタイタンボ()

マラスの塩田

高山病対策

マチュピチュ・クスコへの旅行の際は高山病対策が必須。私達は二人とも高山病になり結構辛かったので、あまり対策を語れる立場ではないが、、

対策としては:

  1. ダイアモックスという薬を服用。ペルーでも安く帰るけど前日ぐらいから服用したほうがいいらしいので、前もっと用意していたほうが無難。
  2. なるべく高度が低い所で慣れる。クスコの標高は3400m、オリャンタイタンボは2800m、アグアス・カリエンテスは1800mの標高。クスコに飛行機で着いたらクスコに泊まらず、まずオリャンタイタンボなどの少しでも標高の低い所に泊まるのがいいとのこと。
  3. 脱水をさける。水を多めに飲んで、飲酒も控える。

最後に

マチュピチュは2020年の春に行く予定だったが、コロナ禍が始まって中止を余儀なくされていた。コロナ禍がようやく落ち着いて、長年の夢がかなって訪れる事ができた。

フォトギャラリー

ペルー

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旅程
 

最終更新日:2023年12月24日